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第3回 作文課題の出題傾向をつかもう

 今回は,作文の出題傾向について,詳しい採点基準が公表されている大阪府を例に見ていきます(採点基準については,次回以降で説明します)。各府県の入試問題はこちら。

 令和4年度の大阪府公立高校一般入試の作文の出題には,次のような特徴があります。
 

  • 字数

     A問題は180字以内,B問題は260字以内,C問題は300字以内で,それぞれ昨年度同様の字数だった。
     

  • 採点基準

     採点上の観点は「内容」と「表記」で,A問題(基礎的問題)は内容9点満点,表記3点満点,B問題(標準的問題)は内容13点満点,表記5点満点,C問題(発展的問題)は内容14点満点,表記6点満点(詳しくは次回に説明)で,それぞれ昨年度と同様だった。
     

  • 出題形式

     令和3年度と同様に,A問題・B問題・C問題とも,独立した大問として出題された。また,課題は3年度と同様に,与えられたテーマについて書く形式で,A問題は自分の体験を挙げながら具体的に答える問題,B問題とC問題は資料をふまえて答える問題だった。
     たとえば,令和4年度B問題では,

(【資料】は海外に在住している外国人を対象におこなった「日本の文化財や伝統的な文化のうち,関心のあるものは何か」というアンケート調査の回答結果)あなたは,外国の人たちにどのような日本の文化財や伝統的な文化を伝えたいと考えますか。【資料】から読み取れる内容にふれながら,あなたの考えを別の原稿用紙に260字以内で書きなさい。
 

  • 条件
     
    一般に,入試の作文問題では条件が付されていることが多い。令和4年度大阪府公立高校のB問題では「条件」と明示されたものはないが,上述の「【資料】から読み取れる内容にふれながら」が条件にあたる。必ず【資料】の内容にふれて作文を書くように注意すること。一方,C問題では「これからの時代に必要だと思う言葉に関わる知識や能力等は何か」という質問に対する回答結果の資料が示されており,「【資料から】わかることをふまえて,あなたがこれからの時代に必要だと思う言葉に関わる知識や能力等について書く」が条件にあたる。A問題は,字数に関する条件が1つ,内容に関する条件が2つだが,実質的に内容に関する条件は1つであり,昨年度と変わらない。その1つの条件は,「自分の体験を挙げながら具体的に説明する」というもの。受験する学校の選択する問題に合わせた対策が必要だ。

夏休みは作文練習のチャンス!

 これらの出題傾向を念頭に置いて,作文の練習に取り組みましょう。じっくり課題に取り組める夏休みこそ,作文の練習を積むチャンスです!

​各府県の令和4年度入試問題はこちら

 入試問題は教育委員会のHPなどで確認することができます。

 下記のページからチェックしておきましょう(兵庫県,京都府には作文の出題はありません)。

 (他のサイトへ移動します。)

・大阪府(大阪府教育庁)

https://www.pref.osaka.lg.jp/kotogakko/gakuji-g3/r04gakken.html

・兵庫県(サンテレビ)

https://sun-tv.co.jp/special/nyushi


・京都府(京都新聞HP無料会員ページ)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/717723


・奈良県(奈良県教育委員会)
https://www.pref.nara.jp/60880.htm


・和歌山県(和歌山県教育委員会)
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500200/d00209910.html

…和歌山県はホームページで入試を公開していますが,国語は著作権に配慮して解答用紙と解答例のみ掲載されています。以下に,問題の概要を示します。

大問四
 「ある中学校の三年生が,地域の人たちと一緒に,海の豊かさを守ることをPRするポスターを,地域のあちこちに掲示する活動をすることになった。二枚のポスターから,活動にふさわしいものを一枚選ぶ」という内容の文章を読んだうえで,以下の〔問〕に答える。

〔問〕 あなたは,A,Bどちらのポスターを選びますか(問題下段にA,B二種類のポスターが示されている)。二枚のポスターを比較・分析した内容と選んだ理由を,次の条件にしたがって書きなさい。

〔条件〕
⑴ 解答欄上段の□には,選んだポスターの記号を書くこと。
⑵ 原稿用紙の正しい使い方に従って書くこと。ただし,題名や自分の氏名は書かないこと。
⑶ 八行以上,十行以内であること(1行=20字)。

・三重県(三重県教育委員会)
https://www.pref.mie.lg.jp/KOKOKYO/HP/m0204200029_00056.htm

 

・滋賀県(滋賀県教育委員会)
https://www.pref.shiga.lg.jp/edu/nyuushi/high/senbatsu/105597.html

 

入試

​実際に書いてみよう!

今回の課題「いのち(命)」

「いのち(命)」という題で,下の条件(1)・(2)に従って,作文原稿用紙に文章を書きなさい。

 (1) 二段落構成とし,前段にはいのち(命)にまつわること(体験)を具体的に書き,後段にはそのことに関して自分の意見や感想を書く。
 (2) 字数は220字以上260字以内とし,文字は丁寧に書く。

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添 削

 次の文章はよく書けていますが,直すべき点もあります。

 私が添削したものを紹介します!

 あなたならどのように直しますか?

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 先生,添削(てんさく)って何ですか?

​ 文章を直すことですか?

 そうです!

 添削とは,文章をけずったり書き加えたりして何度も練り直し,いっそう良くすることです!

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アイディア

上記の作文の添削例を一緒に考えましょう!

カーソルを合わせると,先生の添削例が見えるよ!

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Good Point!

 前段はよく書けていますが,まとめて書く,要点を印象づけるように書く,という二点に注意しましょう。
 後段は,「感謝と命の大切さ」でまとめていますが,さらに進んで,どのように生きていくかについて書くともっとよい文章になりますよ。

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