第4回 採点基準を把握しよう①
今回は,作文の採点基準について,詳しい採点基準が公表されている大阪府を例に見ていきます。
令和4年度・大阪府公立高校一般入試の作文の配点は,国語90点満点のうちA問題(基礎的問題)で12点,B問題(標準的問題)で18点,C問題(発展的問題)で20点を占めます。採点は内容(主題・要旨の明確さなど)と表記(表記の正しさなど)の二つの観点で行われ,A問題は内容9点・表記3点,B問題は内容13点・表記5点,C問題は内容14点・表記6点です。ここから予想される基準に,論理性や表現力という観点を加味したものが,「作文課題」の下にある自己採点基準です。今回は,内容に関する採点基準①~⑤について説明します。
① 前段に,課題の内容(体験・見聞)が具体的にわかりやすく述べられているか。
② 後段に,説得力のある意見や感想が明確に述べられているか。
260字以内,または300字以内といった作文の場合,前半で自分の体験または見聞を具体的に書き,後半で自分の意見・感想を述べる二段落構成が,最も書きやすい構成です。
というのも,入試で作文にかけられる時間は10分~15分。その時間で中身のある内容にするには,自分が実際に体験したこと,または,見たり聞いたりしたことを基にして書くのが一番です。体験や見聞なら,思い出し,わかりやすく書くよう心がけるだけで,おのずと具体的に書くことができます。そして,前段がしっかり具体的に書ければ,続く後段の意見・感想も説得力を帯びてきます。だから,まず前段には,抽象論や考察ではなく,体験や見聞を具体的に書きましょう。そして,③「二段落構成で,前段と後段とが論理的につながっているか。」を意識しながら,前段からの流れにそって後段をまとめるようにしましょう。
④ 文章表現は適切か。
一つ一つの文は短くしましょう。そして,文どうしを「だから・しかし」などの接続語で続けたほうが,文章がわかりやすく,つながりもよくなります。また,「だれが何をした」「何がどうした」という主語・述語の照応にも,十分に気を配りましょう。「めっちゃ・すごい・したけど」など,乱れていると言われる言葉は避けるようにします。
⑤ 読後の感銘度はどうか。
読む人を感動させようと気負う必要はありません。体験や見聞を具体的に(①)書き,そこから前向きな意見や感想を導き出す(②)ことを心がけましょう。適切な文章表現をすること(④)も,高い感銘度につながります。
添 削
次の文章はよく書けていますが,直すべき点もあります。
私が添削したものを紹介します!
あなたならどのように直しますか?
先生,添削(てんさく)って何ですか?
文章を直すことですか?
そうです!
添削とは,文章をけずったり書き加えたりして何度も練り直し,いっそう良くすることです!