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第7回 何を書くか②
前回,作文とは,前向きに書くべきものだが,しかし,きれいごとを書いたり,定義づけをしたりすべきものではないということを説明しました。では,何をどのように書けば,うまく作文を書くことができるのか。今回はそのヒントを紹介します。
前段には具体的な体験・見聞を書く
この作文講座では「体験(見聞)→意見(感想)」という2段落構成を,作文課題の条件として提示しています。この条件は,入試でも作文の条件として課されることがありますが,必須ではありません。この構成でなくてもよい作文は書けるかもしれません。しかし,みなさんの作文の中でよい作文と評価できるものの多くが,前段を具体的に書いているのです。
抽象的な内容の文章で共感や理解を呼ぶことはできません。人は何か具体的な像を思い浮かべて初めて,感情移入し,共感を覚えるからです。たとえば「私の祖母は元気で明るく,活動的です」と抽象的に書くことなら,だれにでもできるかもしれません。しかし,「私の祖母は,毎朝6時に起き,張りのある声で詩吟を詠んでから,ゲートボールの赤いスティックを持っていそいそと出かける,元気な72歳です」と書けるのは,実際に祖母を知る人だけです。そう書いたとき,文章は具体性と個性を帯び,読み手の関心をひきつけます。 前段が具体的であればあるほど,続く後段の意見・感想も,みなさんの意見として説得力を持ちます。だから,前段には,抽象論でなく体験や見聞を,読み手がイメージを思い浮かべやすいように具体的に書くことを心がけましょう。
後段は,接続語で考える・まとめる
後段は,「前段と論理的につながっているか」を意識しつつ,前段からの流れにそって意見や感想をまとめましょう。前段が具体的なら,後段はかなりの説得力をもちます。しかし,課題によっては何も意見を思いつかなかったり,逆に,いろいろ感想を思いつきすぎてどれをどう書けばよいかわからなかったりすることもあります。そんなときは,「なぜなら」「だから」などの接続語を上手に使いましょう。意見や感想を思いつかなければ,まず,それらの接続語をあげて,続く意見や感想がないかを考えてみる。逆に,いろいろ思いつきすぎた場合は,一つか二つの接続語に続く内容に絞って,後段をまとめるのです。
添 削
次の文章はよく書けていますが,直すべき点もあります。
私が添削したものを紹介します!
あなたならどのように直しますか?
先生,添削(てんさく)って何ですか?
文章を直すことですか?
そうです!
添削とは,文章をけずったり書き加えたりして何度も練り直し,いっそう良くすることです!
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