第8回 時間配分と推敲
すいこう
国語のテストが始まったら,最初に作文課題にさっと目を通してから,問題に取りかかりましょう。問題を解く間に,ふと,書く材料(具体的な体験や意見・感想)を思いつくことがあります。
今年度の大阪府公立入試の場合,作文にかけられる時間は10~15分です。構成を練る時間は3分を目標として,書こうと思う内容を箇条書きでメモし,その後,10分ほどで作文を書きあげましょう。B問題の場合,原稿用紙は20字×13行ですから,前段(体験)7~9行,後段(意見・感想)4~6行を目安にすると,バランスがよいでしょう。習った漢字はできるだけ使い,きれいに丁寧に書きましょう。
推敲にも2分ほど時間をとりましょう。自分の作文を,できるだけ客観的に読み返し,言いたいことがより読み手に伝わるよう,文章を手直しするのです。みなさんの作文ではあまり見かけませんが,行間の細いスペースは,推敲で言葉を直すのに使うスペースです。たとえば,「得る物」と書いたが,「得られるもの」としたほうがよいと思ったら,「る物」を二重線で消し,すぐ横の行間に「られるもの」と書き直せばよいのです。
わかりにくい表現,つながりの悪い表現はないか,主語・述語は照応しているか,重複した言葉はないか,などもチェックしましょう。また,
・誤字・脱字はないか。
・かなづかい・送りがなは正しいか。
・文体は統一されているか。
・文字は丁寧に書いているか。
・原稿用紙の使い方は正しいか。
など,表記についても最後まで見直しましょう。
文章を書くということ
これまで,8回にわたり,入試対策としての作文講座を続けてきました。作文原稿用紙の使い方や詳細な採点基準など,難しい内容が多かったかもしれません。しかし,作文を書くのは難しいなどとは思わないでください。一言一言,書いては言葉を吟味し,書き連ね,推敲し,自分自身と対話しながら的確な表現にたどり着く――書くという行為には,話すのとはまた違った楽しさがあります。そして,書くことで,自分の考えを深め,表現し,人の理解と共感を引き出し,ときには自分,ときには人を変えることもできるのです。作文がみなさんにとって,書く楽しさをより深く知る機会となることを願っています。
添 削
次の文章はよく書けていますが,直すべき点もあります。
私が添削したものを紹介します!
あなたならどのように直しますか?
先生,添削(てんさく)って何ですか?
文章を直すことですか?
そうです!
添削とは,文章をけずったり書き加えたりして何度も練り直し,いっそう良くすることです!